本ブログに少しでも彩りを加えるために、何を連載しようか考えた。音楽について語るだけでは面白さに欠けるかもしれない...じゃあ何かの要素を加えて語るコーナーでも作ってみるか。
そう思い私は、ちょっとした散歩や旅と音楽を掛け合わせた連載企画を始めてみようと決意した。その名も「流堂が歩く」。実はこのタイトル、とあるジャーナリストの連載記事から若干パクってきたのだが...たぶん誰にもバレないだろうからこれでしばらく書いてみようと思う。
さて、というわけで本日が初回となる「流堂が歩く」。その歴史の始まりを飾る場所は、岐阜県山県市の岐阜レトロミュージアムである。MV撮影のために白川郷を訪れた翌日に寄ることになったのだが、ここには白川郷とはまた違った哀愁が漂っている。入り口からまるで、住宅街の角っこに位置するたばこ屋兼駄菓子屋みたいな香り。足元のポスターはボビー・コールドウェルやナタリー・コール等、AOR楽曲のCMでお馴染みパーラメントである...良いな。
・Bobby Caldwell「Heart of Mine」
https://m.youtube.com/watch?v=saed_Tj5wOA&pp=ygUcaGVhcnQgb2YgbWluZSBib2JieSBjYWxkd2VsbA%3D%3D
中に入れば、80年代中期ごろから90年代くらいの小さなゲームセンター...山登りゲームだとか、初代ワニワニパニックだとか、セガの名作スーパーハングオンだとか、BGMを聴いている、筐体を眺めているだけでも浸ることができる古き良き時代のものばかり。地元の近くにはアウトランがあったが、ハングオンは初めて見たな...私はマイクを筐体のスピーカーに向けてBGMを集音してみる。この体感ゲームシリーズの音楽はやけにシティ・ポップやフュージョン味があり沁みるのだ。ぜひ皆さんにも聴いていただきたいほどに。
・SUPER HANG-ON 「Outride a Crisis」 (1987)
そんなゲームコーナーの左には、私も見たことがない昭和のパチンコ屋な世界が。パチンコ台の周りに描かれているデザインが時代を物語っている...レジ周辺までちゃんとレトロを貫いているのもさすがである。その逆側、ゲームコーナーの右側に入ると、そちらは自動販売機がすんごい数並んでいるではないか。これはかなり面白い。コカ・コーラ、カップ・ヌードル等今でも親しみのあるヒット商品はもちろんだが、中でも目を惹くのが...イラストが60〜70年代すぎるハンバーガーの自販機。味に期待はできそうにないが、どんな味がするのか興味ある。私は買ってみた。自販機には「60秒で焼けます」と書いてあるが、どうやら冷凍されているものを解凍するシステムであるらしく、その上現在は60秒以上かかってしまうらしいので若干文字と異なる部分があるが...当時から変わらぬ味であることは間違いないだろう。
やがてハンバーガーが自販機から出てくる。私はそれを取る...超熱かった。私の「熱っ!」と叫ぶ声が部屋に響いた。味はどうかというと、まあ...想像した感じであった。下のバンズがやけに硬かった。だが不味いわけではなく、おやつとして楽しめるようなものだったため満足である。トンカツとビッグ・カツの違い、みたいなことを私は言いたい。
ひと通り見て回ったのだが、レトロに浸るにはかなり良い空間だったと思う。スペースは広くはないが、紹介した他にも看板や昭和のチャリンコ等ここ以外では見れないであろう貴重品も多く存在しており、非常に面白かった。皆さんも岐阜県に行くことがあれば、ここでモロッコヨーグルトを買い、コーラを飲みながらハングオンとアフターバーナーをプレイし、最後に自販機でハンバーガーを食って帰る昭和の小学生みたいな一日を過ごしてみてはいかがだろうか。以上、流堂エスがお届けいたしました。