Rudo's Hat Hut

Stardust Alone のボーカリストであり作曲家、流堂エスの「Hat Hut」へようこそ。

流堂が歩く vol.2 (蛍池 〜 石橋)

 

夏も終盤ではあるが、まだまだ暑い8月27日の話。台風も来るそうで、暑いわ荒れるわのとんでもない夏の終わりになること間違いなしであった。

しかしこの日は嵐なんかではなく晴天。台風はまだ上陸前である。気分もかなり良いので、私は目的地手前であった蛍池から石橋阪大前までの間を、気まぐれで歩いてみようとしていた。ちょうどブログで「流堂が歩く」とかいう連載も始めたし、ネタになればよいだろう...。

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蛍池駅、ベンチを置く場所のセンスがかなり良い。二階の窓からの眺めが良く、行き交う阪急電車と控えめな街並みが美しい。こんなとこに座って待ち合わせをするなら、景色を見ているだけでも良い暇つぶしになるだろう。駅を降りてみると、少し歩くのが危なっかしい道路に出る。当たり前だが、横には線路。ドライブするには良さそうだが、歩行者のことはあんまり考えていないように見えた。

まずは逆側=豊中側へ少しだけ進んでみる。池があった...蛍池ってちゃんと存在したんや...。この辺りの若干緑が見え隠れする雰囲気、なんとなくギルバート・オサリバンとか聴きたくなる。「No Matter How I Try」とかどうだろう。

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・ Gilbert O'sullivan「No Matter How I Try」 (1971)

https://m.youtube.com/watch?v=THYzplLyyVE&pp=ygUTTm8gTWF0dGVyIEhvdyBJIFRyeQ%3D%3D

池から戻ってゆくと、何やら寺院のようなものがあったので、ちょっとだけ寄ってみた。向かう道が小ぢんまりしていて哀愁ある。小さな寺であるが、近隣住民にはしっかり支えられているのだろう、古い住宅に囲まれているのもあり、昔ながらで良い雰囲気だった。ここでは「Alone Again (Naturally)」だろうか...いやそれは「めぞん一刻」すぎるか...?

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・Gilbert O'sullivan 「Alone Again (Naturally)」 (1972)

https://m.youtube.com/watch?v=gU3ubk8u7dA&pp=ygUXQWxvbmUgQWdhaW4gKE5hdHVyYWxseSk%3D

さて、そろそろ石橋阪大前へ向かおう。阪急横の道路は都会から少しだけ離れるとよく見る、面白みはあまり無いものであるはずだが、ここが旅の面白いところ。様々な箇所に気を巡らせながら歩いていると、他では感じたことのないものや香りを感じたりだとか、すなわちこの道に宿る個性に気づくわけである。うちのバンドのキーボーディスト松尾氏が地理オタクなのだが、彼の気持ちがほんの少し分かった感覚。

道と阪急電車がじわじわずれてしまっていたので、ここで横に曲がってみる。モノレールが頭上を通っていった...あれ、よく空を見ると、とてつもなく綺麗な入道雲が。夏だ。夏である。海ではないのに高中正義の「Blue Lagoon」が脳内再生されてしまう。気分がとても良い。でも入道雲の下にいる方々は災難なのである...彼らが脳内再生するのは「Thunder Storm」のほうであろう...。

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高中正義「Blue Lagoon」 (1979)

https://m.youtube.com/watch?v=E3HBwtJNplQ&pp=ygULQmx1ZSBMYWdvb24%3D

高中正義「Thunder Storm」(1981)

https://m.youtube.com/watch?v=HItEV-1crFk&pp=ygUNVGh1bmRlciBTdG9ybQ%3D%3D

本日の散歩はもうすぐゴールである。阪急電車横の狭い"ハイキングコースのような何か"を歩きながら、石橋阪大前へ到着。駅前の商店街は懐かしさが溢れている...が、大阪万博の旗のせいでタイムスリップはできなかった。まあ、今でも利用されていて、時代に置いていかれていないのは素晴らしいことである。

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こうして私は再び阪急電車に乗り込んで目的地へと向かった。とにかく暑かったので、車内では大量の汗がクーラーに冷やされ逆に寒くなってしまった。これが絶妙に嫌なのである。

久しぶりに散歩で良い体験をできてよかった。うちのバンドのギタリストSEUL氏は小説家でもあり、彼のようにもっと語彙力があれば良い文章を書けるのだろうが、私は作曲家でしかない。申し訳ないがこの文章で我慢していただきたい。皆さんも、何も無い場所に何かを探しに行く旅をしてみてはいかがだろうか。思いもよらぬ場所にノスタルジーや個性を感じることがあるかも。